固定観念を脇におく
関係性フォーカシング(ある対象との関係に焦点を当てて、その関係性を見直す)を行うとき、おそらくいちばん障害になるのが「いつもの考え」つまり「固定観念」です。「あれはそういう人」とか「あれはそういうもの」と固定的に捉えてしまうと、それとの付き合い方、関係性はもう固定的になりますからね。
特に身近な人物に対する固定観念を修正するのがとても難しいです。修正しようとするのではなく、固定観念そのものに「誰々に対する固定観念」というラベルを張ってちょっと脇におき、関係性フォーカシングを行うときに割って入らないように言い聞かせておくと良いと思います。
そのうえで、その人に対する正直な感覚をきちんと味わいます。これには覚悟が必要です。覚悟がないとすぐに固定観念に邪魔されるからです。固定観念というのは正直な感覚に向き合わせないためのいわば安全装置です。正直な感覚というのはもしかしたら痛くて辛いものかも知れませんから。でも覚悟を持って向き合うとき、その痛みや辛さは本質的に薄らいでいきます。