本来無一物とは言うけれど
縄文時代は狩猟採集生活であったと言われています。そのころは取れたものは何でも平等に分け合っていた。所有という考えがなかった。
先週は「貪らない」という戒についてお話しましたが、縄文時代の人たちはそれが普通にできていたのだと思います。実は今も世界には狩猟採集で行きている集落があって、やはり分け合いながら生きているのだそうです。
でもお金でもモノでも溜められるようになって、ある程度溜めていれば、別に協力しあわなくても生きていけますから、そのほうが楽のように思えますが、その分どんどん孤独になっていきます。その傾向はこの100年くらいのうちにどんどん強くなってきているようです。
つまり貪らないという戒がほぼ廃れた世の中に私たちは住んでいるということです。
物を持たずに生きるということは、平等に分け合える人間社会が前提です。一人だけ物を持たないで生きることは難しいでしょう。ものが片付かないわけです。