比喩の効用

 今日はこの冬一番の寒波ですので、教室を中止にしようか迷ったのですが、こういうときにこそ頑張っていくのだという強い心を持った方もいらっしゃると思って、中止にはしませんでした。

 こころの天気という描画法を20年くらい前に考案しまして、割とあちこちで使ってもらっています。例えば今日みたいな吹雪の絵を描くとしたら、それはどんな心の表れなのでしょうか。もしそういう絵を見たら、逆境に負けない気持ちの表れかな、なんて私なら思うかもしれません。

 心を天気で表すというのは一つの比喩です。比喩は小説では盛んに使われますね。村上春樹なんかを読んでいるとどうしてそんな表現を思いつくんだろうというような比喩が出てきます。

 お釈迦様もよく比喩を使いました。犀の角のように歩めとか、ウミガメが息をするために海面に出ようとしたら流木で塞がれてしまっていたけど、ちょうど亀の頭が入るくらいの穴が空いていて辛うじて息ができたというくらい、仏教の教えに出会うのは稀なことなのだ、なんていう比喩も使われました。

 比喩はイメージを喚起して記憶にとどまります。(続きは動画で)