状況全体に適度な距離をおいて眺める

 家が散らかっていてもしばらくその中にいるとあまり気にならなくなって、気がつけばゴミ屋敷というパターンがあります。

 本当は何とかしなくてはならないのに、もうその状況に馴染んでしまって特に問題を感じていないということは多くあると思います。

 その状況にどっぷり使っているとわからなくなります。例えば旅行とかに出かけて、問題の状況から大きく離れれば、今度は問題を忘れてしまいます。

 大事なのはどっぷり浸かるのでもなく、離れすぎるのでもなく、問題の状況全体がよく見える距離感を保つことでしょう。

 この教室でも常々お伝えしていますが、違和感に気づくことができさえすれば、人間はなんとなく問題に対処するものです。体の違和感もですが、自分を取り巻く状況についても同じです。状況全体を見渡せる位置に立って、その違和感を感じさえすれば、やるべきことが見えてきます。

 瞑想でいろいろ思い浮かんでくることに気づいて「いいね、ありがとう」と声がけするとき、私たちは状況全体を見渡せる位置に立っているわけです。

 私たちは自分の人生を生きていますが、生きるということは状況に巻き込まれているということです。距離が近くなりすぎて問題が見えにくいです。ときどき自分が生きている状況に間を置く意味で、こうやってヨガをすることはとても意義があると思います。

ヨーガ3分話

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