前頭前野を鍛えよう

2026年8月号

 前頭前野は前頭葉の大部分を占め、集中力や意欲、感情のコントロール、社会性、創造性などを生み出すところです。他の動物に比べて人間では極めて発達しています。

 前頭前野は人体の他の部分と比べて最も遅く発達が始まり、10代で急成長し、20代でようやく成熟します。
 最初に忍耐力、次にワーキングメモリ(情報を一時的に記憶し活用する力)、最後に計画・実行する機能が育つと言われています。だからこの時期に「しっかりしてきた」感じになるのですね。

 しかし、体を使うことで体が発達していくように、前頭前野のこうした機能も、使う場面に直面することで自然に鍛えられるものです。そして、悲しいことに40代にはもう老化が始まります。

 次第に意欲が無くなり、状況に応じた行動や感情のコントロールができなくなり、人付き合いを好まなくなりますが、これも体と同じで、よく使うことで老化をかなり遅らせることができると言われています。
 つまり10代以降は前頭前野をしっかり働かせることが大事ということですね。筋トレがブームですが、脳トレは筋トレよりも効果が現れやすいそうです。普段の生活が「前頭前野トレーニング」になるように生活を点検してみましょう。

前頭前野トレーニング
  • スマホ依存をやめる:スマホを見ているときは前頭前野の一部の機能しか使わないため、長時間の使用は怠け癖がついて成長しませんし、衰えていきます。
  • グチや悪口を言わない:グチや悪口が癖になると、意欲や感情をコントロールする力が育ちませんし、衰えて行きます。たまにカウンセラーなどに発散する程度にしてください。
  • メタ認知:「ちょっと腹が立っている自分」など、自己の感情を客観視するとき社会性や共感性が鍛えられます。
  • 失敗や無駄を楽しむ:ちょっと回り道してみる心の余裕、結果より過程を楽しむ気持ちが意欲や創造性を活性化します。
  • 同時並行作業:おしゃべりしながら作業するなど、複数のことを同時に行うと前頭前野が刺激されます。もちろん慎重な作業のときは集中してください。
  • 適度な運動:ウォーキングでOKです。脳の血流が増加し、また脳内で作られる栄養物質により神経回路が新たに構築されたり、機能強化されます。
  • ぼんやりする:ときどき何もせずぼんやりしているとき自然に思考や感情が整理されます。意外ですが、このとき脳は非常に多くのエネルギーを使います。つまり脳の運動になっているのです。
  • 音読や暗算:文字を目で見て認識して、声に出して、それを耳で聞くという一連の作業によって前頭前野が全体的に活性化します。暗算ではワーキングメモリが鍛えられます。
  • 深く考える:文章を書いたり、プレゼン資料を作ったりするときに前頭前野の深く考える機能が活性化します。
  • 自分で考える:他者からの命令にただ従い、外からの情報を鵜呑みにして、自分で考えることしなければ、前頭前野は創造性を発揮しなくなります。