何を優先すればいいのか?

一心塾だより 第105号
自分を優先するとあまり良い結果を招かない。因果をよく見る人はそのようにわかっているものです。では何を優先するのが一番良いのか?相手なのか、家なのか、家族なのか、職場なのか、仕事なのか、世間なのか・・

今年は「昭和100年」に当たります。おそらくこの100年は優先すべきものが変遷してきた年月ではなかったかと思います。特に戦後は「国優先」の縛りが解けて、高度成長期に入ると「仕事優先」モードになりましたが、徐々に「自分優先」になって、「家優先」の価値観も薄れてきた、そんな流れを感じています。
しかし最初に述べたように自分優先が良い結果を招くわけではありません。また、今でも「仕事優先」や「家優先」、あるいは「世間優先」を切り替えられず、家族と衝突してしまう人も多くいらっしゃると思います。私たちは簡単には「〇〇優先」モードを切り替えられないのです。
そこでお勧めしたいのが、「感じ優先」モードです。どんな状況であれ、「今、からだはどんなふうに感じているのだろう」と、からだにお伺いを立てるのです。
からだは生命誕生以来40億年の知恵をDNAに蓄え、どんな状況にも適切に対応しながら命をつないできました。適切に進化したDNAだけが生き残っているのです。私たちのからだにはAIも及びがつかないデータの蓄積があり、それがそれぞれの状況における「感じ」として示されるのです。「感じ」を優先しておけば、「今は自分優先」、「今は相手優先」というふうに状況に応じて自動切り替えしてくれます。
では、どうすれば「感じ優先」でいられるのでしょうか。ここが重要です。
頭の中が思考で忙しくなったときは、ふぅ一と息を吐いて、少しの間考えるのを止めて、胸やお腹の辺りの感じを確かめるようにします。つまり「留まること」。最初はそれで十分です。徹底してこの習慣を身につけてください。
頭の中が感情で溢れそうになったときも、ふぅーと息を吐いて、「そういう気持ちを抱えているんだね」とわかってあげます。それだけで結構癒やされます。そしてそのときの「感じ」を確認します。
これらはフォーカシングの技術です。たったこれだけのことを根気よく1週間も続ければ、「感じ優先」になっていくことでしょう。「感じ優先」とか「留まる」とか、紙に書いて見えるところに貼っておくのもオススメな方法です。
「感じ」に触れることに慣れたら、その「感じ」をオノマトペで表すようにしてみましょう。「この感じは『ジクジク』?いや『シュワシュワ』?うーん『すわっ』っていうのが一番ピッタリ」。あるいは比喩を用いて、「この感じは『気が抜けたサイダー』のようだ」、というふうに表現してみてください。それによって「感じ」は素早く変化し、何かのインスピレーションを私たちに与えてくれるのです。
でも「感じ」が自分優先になっていることはないのか?と疑う人もいるでしょう。いいえ、「感じ」は全体が調和するように私たちを導いてくれます。皆も良くて、自分も良いような示唆を与えてくれるのです。
