無事是貴人

 12月はお茶席では「無事是貴人」とか「無事」の掛け軸がかかります。これは禅語で何に頼らなくても大丈夫な人という意味だそうです。神様仏様とか会社とか家族とかにすがらなくても大丈夫ということです。すべてのことは自分の考えで判断できる、といって独善というわけでもない、そんな心持ちのことを言うのだと思います。いかにも禅らしいと思います。

 頼るということは、頼った先の顔色をうかがわなくてはならないわけで、そういうのはつまらんでしょ、ということです。

 禅では坐禅して、深く自分自身とともに居る時間を持ちます。そうやって自分自身の感覚と繋がっていくわけです。ヨガも同じです。頼るべきは自分の感覚です。

 自分の感覚だけど、深いところでは自分だけの感覚を脱して世界の感覚とつながっています。そうでないと世界に対して思いやりを持つことができません。だって私たちは同じ構造をした体を持っていますから、他者の痛みが感覚的にわかるわけです。