因果に落ちる

 唐の時代の中国に百丈という有名な禅僧がいて、多くの弟子がいました。ある日見慣れない年老いた修行僧がやって来て、自分は悟ってもいないのに悟ったようなことを言ったために、その後500回狐に生まれ変わることになった。今修行僧の格好をしているが、実は狐なのだ、というのです。
 「悟ったようなこと」というのは、自分は因果に落ちないと言ったというわけです。なにか悪いことをしても、その結果を受けることはないというようなことです。
 でも因果というはそう簡単なものではありません。お母さんが子どもに「勉強しなさい」と言っても子どもは素直に従わないですし、悪いことをしてバッシングを受ける人もいれば、悪いことをしていないのにバッシングを受ける人もいます。