傾聴を学ぶ会(新しいフォーカシング・サンガ)

 一心塾だより第86号

 フォーカシングをグループで行う「フォーカシング・サンガ」を20年近く開催してきました。コロナ禍になってからはZoomによるオンラインでも行うようになって、開催回数が2倍に増えました。多くの方にご参加いただき、この場を借りて感謝申し上げます。

 秘密が守られ、どんな気持ちも受け入れられ、変化を迫られることがない。そんな「安全・安心ルール」に守られた場で、心に思うことを語り、皆で傾聴することで気持ちに前向きな変化が生じてきます。それがフォーカシングの効果です。また他者の語りを聴くうちに自分の内側の何かが触発されて、気づきが生じます。

 しっかり傾聴してもらい、また誰かの話を聴くことで、変化を強要されなくても私たちには自然な変化が生じていくものです。その変化とは、長年条件が整うのを待っていた種が発芽するような自然のプロセスなのです。

 参加される方々は、「こんな場は他にない」と感想を述べてくださいます。確かに私たちが生活や活動する場は、気持ちを受け止めてもらえる雰囲気ではないかも知れません。思い切って話したら、バカにされたり批判されたり、すぐにアドバイスを与えられ「やってみろ」と変化を迫られることも多いでしょう。ましてや会議の場で気持ちなど話せたものではありません。しかし良いアイデアはリラックスした雰囲気の中で生まれるものではないでしょうか。

 さて、そのフォーカシング・サンガはこれまで度重なるバージョンアップをしてきました。昨年12月からはインタラクティブ・フォーカシングという素晴らしい方法から影響を受けて、以下のような流れで行うようになりました。参加者はだいたい5~10名です。

  1. 簡単なヨーガと瞑想
  2. 瞑想中に浮かんだことなどを一人ずつ話す
  3. フリートーク(インタラクティブ・フォーカシングから影響を受けた部分)
    1. もう少し聴いてみたい話について相手を指名して問いかけ、気持ちをしっかり聴き取り、(ア)話し手の立場に立った上で聴き手の内に湧き上がっている言葉(追体験的共感)を短く述べる。他のメンバーも同様に追体験的共感や(自分なりの)感想を自由に述べてよい。
    2. 自分から気持ちを話しはじめてもよい。その場合、誰かがもう少し気持ちの聴き取りを行ない、(ア)と同じく追体験的共感や感想を述べる。
    3. 聴き手を指名した上で自分から話してもよい。その後は(ア)と同じ。
  4. 最後に数分瞑想した上で、ふりかえりを行う。

 皆さんのご参加をお待ちしています。「一心塾イベント」で検索してみてください。