心が元気になるための8ヶ条(その2)

一心塾だより 第85号 2023年12月30日

 前回のコラムでは「7ヶ条」としていましたが、「よく歩く」を付け加えて8ヶ条にしました。以下に再掲します。前回と表現や順番が少し変わっています、前回は2,4,5を説明しました。 

1.よく歩く
2.日常の何でもないことに感謝する
3.ネガティブの中にポジティブを見出す
4.目的を意識化する
5.実験心を持ち、失敗から学ぶ
6.被害感情、自責感、依存心に気をつける
7.助けを求める
8.全体や他者を思いやり、協力関係を築く

よく歩く

 歩いていると、脳内でセロトニンが分泌され、落ち着きや集中力が得られるようになります。20分くらいテンポよく歩くことでエンドルフィンが分泌され、気分の高揚や幸福感が得られます。歩く以外でもこれらの効果を得ることはできるでしょう。例えばヨーガを1時間くらいおこなっていると、両方の脳内物質が盛んに出ているのが感じられます。 

ネガティブの中にポジティブを見出す

 ネガティブに陥っているときは「自分」に固執しています。そういうときこそリラックスが必要です。考えるのを一休みして、自然に親しみながら歩いたら良いでしょう。
 ネガティブ・ポジティブとは見方の問題です。ある立場から見ればネガティブであっても、別の立場からはポジティブに見えるものです。「自分」への固執を緩め、いろいろな立場に立ってみる練習が必要です。

被害感情、自責感、依存心に気をつける

 被害感情については今年2月の一心塾だより第75号に「被害と加害の共依存」を書きましたので、そちらをご参照ください。被害感情を持つと怒りを内側に溜め込むため、心身の調子を崩す可能性があります。怒りを持ちたくない性格の人は逆に自責感に苦しむかもしれません。
 私たちは依存していた何か(人、職場、立場、金、酒やゲームなど)をある日失ってしまうことがあります。その時は絶望し、深い被害感情を持つものです。その予防策として、依存先を増やしていくことをお勧めします。案外「自立」とはそういうことかもしれません。

助けを求める

 助けを求めるには、①相手の立場を尊重すること、②助けてもらいたい部分とその理由を具体的に説明することが必要です。この2つは割と高度なソーシャルスキルです。それができる人は、すでにいろいろな人に助けられながらこれまで生きて来たことでしょう。助けを求めることは苦手だという方は、①と②を意識化することで徐々にできるようになると思います。

全体や他者を思いやり、協力関係を築く

 所属している場(職場や家族)に対して、人は無意識的に「受け入れられたい」「必要とされたい」という欲求を持ちます。それは遺伝子に深く刻まれた人の生き残り戦略です。そして人としての当然の権利です。この欲求が満たされると「場に貢献したい」と思うようになります。その時、他者を思いやり、協力関係を築くことに積極的になることができます。
 もし受け入れられていない、必要とされていないと感じる場にいるのなら、被害感情に浸るのではなく、逆にその場の人たちを受け入れるよう努力することで、場が良い雰囲気になっていくかもしれません。難しいですが、この8か条を実践することでチャレンジしてみてください。

一心塾 土江正司 https://sinsined.com/