貪瞋痴

 煩悩のことを貪瞋痴(とん・じん・ち)といいます。貪は執着や強い欲求と考えたら良いでしょう。瞋は怒りですが、消えてくれないしつこい感情のことと捉えてみましょう。すると貪瞋は固定化した情動のこと、自分または他人を困らせる情動のことと言えます。

 痴は智慧がないことです。智慧がないから困った情動が出てきてしまうわけです。では智慧とは何か。それは「こういう欲求があるな」「こういう感情があるな」と気づいていること。それ以上に「だからもっと欲求を抑えなければならない」と考えたら、葛藤が生じます。欲求を抑えなければという別な欲求が出てきてしまうわけです。気づいていること、それに徹底することが大事なのです。