社会問題フォーカシング
一心塾だより 第18号
ロジャーズはエンカウンターグループで差別や民族間の対立の問題に一石を投じようとしてノーベル平和賞の候補に上がったと言われています。ジェンドリンもまた、社会問題に関心を持っていました。一人の人間の一つの悩みは一つの社会問題と密接にリンクしています。一つの悩みが一人の人間の中だけで完全に解決することはないでしょうが、社会に発信しようとするのもハードルが高い感じです。でもフォーカシング・サンガというグループの中で、一人の参加者の悩みや問題意識を皆で傾聴し、体験的に理解していくことは、すでに小さく社会に発信したことではないでしょうか。しかもとても安全に!
数名の人に理解してもらうだけでも、社会問題にリンクした悩みはなにか新しい視点が開けるように思います。心理的な解決というのは法律的な解決や経済的な解決とは違いますが、より豊かなものではないでしょうか。そこにもう一つ、哲学が加わったら?
次回、5月12日に松江で行うフォーカシング・サンガには島根大学から哲学がご専門の川瀬雅也先生(教育学部共生社会教育講座准教授)にお越しいただき、サンガの後半をリードして頂く予定です。どんなことになるのでしょうね。